vol.07|ひとりでいられる、ということ ——孤独と、寂しさは、違う
——孤独と、寂しさは、違う
「ひとり」には、二つある。
誰かといないと落ち着かない、ひとり。
誰にも会わなくても、満ちている、ひとり。
同じ「ひとり」なのに、この二つは、まるで、違う。
寂しさは、欠けている
寂しさは、欠落だ。
誰かがいてほしいのに、いない。その、空いた席の感触。
だから寂しさは、外を向いている。埋めてくれる誰かを、探している。
寂しい時、ひとりは、罰のように感じる。
だれかからの連絡を待ち、通知を確かめ、静けさが、責めるように、重くなる。
孤独は、満ちている
孤独は、違う。
孤独は、欠けているのではなく、むしろ、満ちている状態のことだ。
誰にも会わない夜。けれど、寂しくない。
自分の呼吸が聞こえ、考えが、ゆっくりほどけ、外に向けていた感覚が、静かに、内側へ戻ってくる。
その時間は、罰ではなく、贈りものだ。
孤独は、内を向いている。
誰かを探していない。ただ、自分のところへ、還っている。
ひとりでいられることは、成熟だ
ひとりでいられる、というのは、能力だ。
生まれつき持っているものではなく、少しずつ、育てていくもの。
幼い頃、人は、ひとりが怖い。誰かがいないと、自分の輪郭が、たしかめられない。
けれど、育つにつれて、人は、誰にも見られていなくても、自分でいられるようになる。
それは、寂しさに耐える力ではない。ひとりの時間を、豊かに過ごせる力だ。
——人を大切にしたいからこそ、ひとりの時間がいる。
それは、逃げでも、拒絶でもない。誰かとちゃんと向き合うために、いちど、自分のところへ還っておく、ということだ。
香りは、その、ひとりの隣にいる
寂しさを埋める道具は、世の中にあふれている。
通知、動画、絶え間ない誰かの声。ひとりを、感じさせないための、たくさんのもの。
couri は、その逆でありたい。
ひとりを、埋めるためではなく、ひとりを、深めるために。
誰にも会わない夜、その孤独を、寂しさに変えないための、静かな一滴。
まとえば、ひとりが、少しだけ、豊かになる。空いた席ではなく、満ちた時間になる。
結び——満ちた、ひとり
寂しさは、埋めるもの。
孤独は、味わうもの。
寂しさのひとりは、早く終わってほしい。
孤独のひとりは、もう少し、続いてほしい。
couri は、後者のための香りでありたい。
ひとりを、こわいものから、満ちたものへ。
——誰にも会いたくない夜が、いちばん、豊かな夜になるように。